東京、お台場。
整備された海浜公園、要塞のようにそびえ立つフジテレビ本社。だだ広い敷地を持つ人工の島は、イベントが無ければ閑散としており人もまばらだ。紛れもない東京という土地ではあるものの、東京という概念からどこか浮いたような、何とも不思議な空気が漂っている場所である。
さて、そんなお台場にはヴィーナスフォートと呼ばれるショッピングモールがある。天井は空色、壁はヨーロッパを意識したような装いであり、某有名テーマパークの一画のようにも見えなくもない。

明るく小洒落たモール内には、比較的若年層向けと言えるだろう様々な専門店がある。
さてそんな広いモールの中に、こんな店があるのをご存知だろうか。
「フリーメイソン専門店」である。
フリーメイソン専門店
フリーメイソン専門店はすぐに辿り着けるわけではない。「STRANGE LOVE」という輸入雑貨屋店の中にヒッソリと存在しているのだ。
さてSTRANGELOVEの店先にいざ立ってみると、その違和感に気付くだろう。このお店、入口が無いのである。
若干不安な気持ちになりながら、導かれるは「666」という悪魔の数字だ。

金網で囲われた空間に立ち、ベルを鳴らす。すると、意外なギミックが発動する…何が起きるかは、現地に行ってのお楽しみである。
STRANGELOVE店内には、十字架や髑髏、人形などオカルティックなもので溢れている。マニアでなくても欲しくなるような珍しくて素晴らしいデザインなので、こちらだけでも充分に楽しむことが出来る。
だが本日の目的は、フリーメイソン。店の奥へと進むと、怪しげな鉄格子が見える。
ここが、秘密結社フリーメイソン専門店への入口である。会員制であるため、まずは見学したいことを店員に申し出てから、いざ中へ。
そこには素晴らしい光景が広がっていた。
お馴染みの「G」マークや「コンパスと定規」のマーク。照度を落とした店内に浮かび上がる様は圧巻である。
そもそもフリーメイソンとは一体何なんだろうか?
もともとは中世ヨーロッパにおいてのは特権階級を持つ技術者達、フリー(自由)メイソン(石工)を指していた。大棟梁であるグランドマスターを設定し、集会場を統合したグランドロッジという本部を結成した後、フリーメイソンは全世界的にその勢力を増して行ったとされている。
現在のフリーメイソンの活動は、慈善事業や学校支援や親睦交流会などである。そしてその活動目的は「会員相互の特性と人格の向上をはかり、よき人々をさらに良くする団体」というものだ。
これだけ聞くとそこらにいるNPO団体と変わらないように思える。だがフリーメイソンの謎めいている所以は、その歴史や背景、入会の難易度が高いことや入会後の階級があること、女性が入会出来ないこと、会員相互の秘密の挨拶があること、などであろう。
上流階級しか着けられないアクセサリー
さらには都市伝説として、陰謀説までまことしやかに囁かれている。アメリカの大統領は全てフリーメイソンに入っているという事実がある為、無理もないことだと思われる。
店の中央にあるのは、初代大統領ジョージワシントンがロッジに佇む壁画
ここ「M」には、日本を始め全世界の貴重なフリーメイソングッズが集められておりそれらが全て購入出来るのである。
フリーメイソンの灰皿
他と違う点は、フリーメイソンの紛い物は沢山世に出ているが、ここにある物全てが現地にて買い付けられた「本物」であるということだ。
灰皿
ビンテージの商品も多く、扱う商品は合計数百点にものぼるそうである。見たことがない珍しい品物達は、恐らくここに辿り着いた全てのフリーメイソンファンの心を鷲掴みにするだろう。
フリーメイソンの皿
東京外や、海外などからもこの店を目的としてやってくるそうだ。確かにそれだけの価値があるほどの品揃えである。本家グランドロッジでさえも、ここまでの数は置いてないというのだから驚きである。
フリーメイソングラス
フリーメイソンソーシャルカップ
そんな「世界一のフリーメイソングッズ専門店」。僭越ながら筆者も購入を検討させていただいた。
折角なので、身に付けるアクセサリーにすると決める。
今回、こちらのオーナーに丁寧に解説していただいた。一番人気があるのはペンダントトップなんだそうだ。
▲純金製のフリーメイソンペンダントトップ
値段はピンキリである。中には数十万を超えるものも見受けられる。ビンテージであったり、素材自体が効果だったり、勿論それだけの価値があるのだが、残念ながら旅貧乏の筆者には手が届きそうもない…
中には比較的手の届き安い物もある。ビンテージではない近年発売された物であったり、関連機関であり唯一女性が入会することが出来る「イースタンスター」や、内郭組織である「シュライン」などの物が挙げられる。
指輪も人気商品の一つなんだそうだ。サイズは豊富であり、筆者のような女性向きのデザインの物もある。
オーナーに話をうかがっていると、初めて知ること多く大変面白い。
例えば、定規とコンパスのマークに「G」が入っているものとそうでないものがある。
これは、アメリカとイギリスによって少しデザインが違うからなのだそうだ。何処にも載っていない情報も、ここにはある。
更に、正規のフリーメイソングッズの面白い所は、そのディティールである。
指輪の表面ではただのシルバーリングだが、内側にはあのプロビデンスの目が描かれている。
こちらも、一見すると球体のペンダントトップのようだが…
スイッチを押すと、中のシンボルマークやプロビデンスの目のモチーフがズラリと現れる。素晴らしい細工である。

▲筆者が購入した、パスケースとペンダントトップ
お店を始めた理由とは
ここのオーナーに、このお店を始めたきっかけをうかがってみた。
十数年にこのゴールドの時計と出逢ってから、フリーメイソングッズを収集しはじめたそうだ。しかしながら、それでここまでのお店を作るとは、時計に何か人知れぬパワーが籠められていると思わずにいられない。
夢中になってフリーメイソンの話を聞いていると、オーナーが今回特別に古い映写機を動かしてくださった。
スイッチを入れると、暗い店内でぼんやりとフリーメイソンに関する映像が映し出された。
これでフリーメイソンについての知識を得るそうだ。
暗室にメイソン達が集まり、この映像を見ながら秘密の会議を行うと考えると、胸が熱くならずにいられない。
シンボルマークも妖しく光る
このお店「M」は、会員制のクラブである。非会員は1800円を払うか、30000円以上購入するかで会員になることが出来る。
会員になると、特注のクラブカードをその場でナンバリングしてくれる。
この真鍮の厚みのあるクラブカードを手に入れるだけでも、特別な気分になることが出来そうだ。
世界一の品揃えのフリーメイソン専門店。興味がある人にとっては、こんなにも心躍る空間は他にないだろう。お台場に行かれた際は、是非訪れてみて欲しい。
Strange Love
M
住所:東京都江東区青海1-3-15 ヴィーナスフォート2F
TEL:03-3599-7255 FAX:03-3599-7255
営業時間:11:00-21:00
Web:http://www.strangelove.co.jp/
Blog:http://strangelove5.blog33.fc2.com/