限定3名!鞆の浦スピリチュアル探訪ツアーに参加してきた【広島福山】【鞆の津ミュージアム】

先日鞆の津ミュージアムに行ってきたのだが、実はそのイベントにも参加したのである。
鞆の津ミュージアムが開催した「鞆の浦スピリチュアル探訪ツアー」である。

鞆の津ミュージアム『スピリチュアルからこんにちは』が想像の向こう側の世界 だった【広島福山】【アールブリュット】

2015.06.16

このツアーは人数が限られていたのだけど、なんと限定3名様という極めてレアなものだった。年賀状のお年玉当選より厳しいんじゃないかくらいの激戦を勝ち抜いての参加だった。

案内人は鞆の津ミュージアムのキュレーター、櫛野さんだ。

この方が櫛野さん。この日初めてお会いしたのだけど、凄い事を沢山成し遂げているのに想像以上にお若く、かつ想像以上にイケメンだったのでビックリした。

そして肝心の鞆の浦スピリチュアルツアーも、予想を超える内容でとても面白いものだったのだ。

鞆の浦の穴場観光地

街中を歩きながら、鞆の浦という場所の風土の説明をしてくれる。
街のこと、祭りのこと、住民の人柄のこと。知らない街の話は、面白い。

ふと、櫛野さんが歩きながらこんなことを話し始めた。

櫛野さん「この橋は、とても小さいけど鞆の浦で一番古い橋なんですよ。」
わたし 「え?橋?何処に橋なんか…?」

振り返ると、そこには確かに小さな橋があった。

橋、小っさ〜〜〜!!

ささやき橋と呼ばれるこの小さな橋は、見かけによらずその歴史はなんと1500年前に遡る。悲恋な物語が由来とされているんだそうだ。

小さいけど由緒正しい橋だった

鞆の浦は、鞆港を抜けるとすぐに坂があり、そしてその斜面には歴史ある寺社仏閣が並ぶ。鞆の浦に味のある古い街並みが残っている理由は、この寺社仏閣のおかげでもあるという。

はあはあと息切れしながら坂を登り、辿り着いたのは、医王寺というお寺だった。ここまでは観光客や車もあまり来ないようだ。さっきまで歩いてたはずの鞆の街が、いつの間にか遥か目下に広がっている。

櫛野さん「鞆の浦の花火大会は、全国的にとても早い時期に開催されます。ここから観る花火は綺麗ですよ」
なるほど確かに綺麗だろう。海風がとても気持ち良くて、大きく深呼吸をした。

さて階段を下っていくと、また櫛野さんがこんな話をし始めた。

櫛野さん「ここには、あの平賀源内の生祠があるんですよ」

平賀源内の生祠

平賀源内といえばエレキテルの復元や、土用の丑の日にウナギを食べる習慣を根付かせたりした、何かよく分からないけど凄い人だ。まさか鞆の浦のこんな山合いに、こんなこじんまりと存在しているなんて。

鞆の浦の、知る人ぞ知る観光スポットを次々に紹介してくれる櫛野さん。まだ始まったばかりだが、私達ツアー参加者は非常に有意義な時間を過ごしていた。

…しかしながら、鞆の津ミュージアム・キュレーター櫛野さんが選んだ「鞆の浦の裏観光」は、実はここからが本番だったのだ。

鞆の浦の裏側

櫛野さんは、先ほどの平賀源内生祠の逆側を指差した。

櫛野さん「平賀源内も良いんですけどね…」
櫛野さん「こちらが、僕お勧めの、凄く良い感じの畑になります。」

わたし 「お、おおお」

交通安全旗や、魚網を利用した囲い

なんということでしょう、匠の技によって釣り竿が塀の一部に。

わたし 「そう言われたら…なんでしょうこれは、凄いですね!笑」

櫛野さん「ある意味アウトサイダーアートとも言えますよね。」

歩いていると、またもや櫛野さんが立ち止まる。

櫛野さん「ここは街の人たちの休憩スペースなんですけど、好きなんですよね。凄く良い感じの椅子だと思いませんか??」

わたし 「お、おおおお」

バラバラの、ボロボロの椅子達

櫛野さん「かっこいいですよね。」
わたし 「いいイス、いいっすね〜〜〜〜!」

酷い冗談を言ってしまったが、それは本心だった。これぞまさに私が大好きな路上観察の世界だ!
生活の中に生まれたちょっとした歪みは、取り上げてみると、とても愛しくて愉快なものだったりするのだ。
さすがキュレーターなだけあって、櫛野さんの取り上げる「街」は激渋である。

テンションが上がってしまった私は、ツアーと並行しながら、櫛野さんに負けじと街の面白い物を勝手に探すことにした。

(お、これは面白いぞ…!)

(薄くて面白いぞ)

(韻を踏んでてラップのようで面白いぞ)

(網が杭に引っかかってるのは面白い…かもしれないぞ)

(お、これはどうだ!!)

(とても書きにくそうで面白いぞ〜〜〜〜)

これだから路上観察は堪らない。勝手に楽しんでるコチラの内情を知ってか知らずか、櫛野さんは歩くスピードを落とし、また話し始める。

櫛野さん「高齢化もあって、この地域では閉店する店も多いんですよね。」

櫛野さん「このお店もその内の一つです。残念ですよね…」
櫛野さん「で、ここにあるのが凄く汚い食品サンプルです。」

私「おおおおおおお」

汚ねえ〜〜〜〜〜!!

なんて面白いんだ〜〜〜!!
悔しいけれど、ここ鞆の浦では、櫛野さんに街歩きで敵いそうにない。完敗である。

なんてことを勝手に考えながらも、ツアーは続く。

スピリチュアルな階段美術館

櫛野さん「次は、スピリチュアルな美術館です。ポエムがとても素晴らしいんですよ。」

ポエムってどういうことだろう…そんな私たちを待ち受けていたのは、とあるホテルの横に掲げられたこんな大きくてサイケデリックな看板だった。

鞆の浦美術館

鞆の津ミュージアムと名前が似ているが、この鞆の浦美術館は別団体だ。
さて、美術館と書かれているが、そんな大きなハコがあるようには見えない。

とりあえずその横の七色の門(実際には三色の門)を抜けると、そこには階段があった。それはホテルの非常階段のようだった。

ただ普通の非常階段と違うのは、その壁を利用した展示があり、階段を登りながらそれを眺めるということだ。
鞆の浦美術館の正体とは、非常階段だったのだ。

鞆の浦について、階段の壁を大きく使い教えてくれる。
そして、先程櫛野さんが言っていたポエムが随所随所で入れ込まれている。

みつをばりの達筆ポエムだ。素晴らしくスピリチュアルだ。

それだけではない。
よく見れば随所随所にギミックがある。

世界一の幸せ者が写る という鏡

自分は他人からどう思われているの? という鏡

鏡を使って、自分自身と対話出来るように計らっているようだ。スピリチュアルだ。
ちなみに残念ながら、階段を登るのに疲れ果てていた為、対話する元気は無かった…

あと、画像の解像度が粗いのが気になった

解像度の粗さ、スピリチュアル

スピリチュアルな天空喫茶

長い長い階段を登りきり、辿り着いたその場所には「天空喫茶」という喫茶店があった。

櫛野さん「ここもスピリチュアルな喫茶店ですよ。せっかくなので、寄りましょうか。」

大きな窓からは、鞆の浦の海が一望出来た。沢山階段を登っただけあってその景色は素晴らしい。でも、それよりもその喫茶店の内装が気になってしょうがなかった。

ダストボックスに貼られたスピリチュアルステッカー

スピリチュアルな五色の教え

至る所に置かれているスピリチュアルな仏像

スピリチュアルだ。完全にスピリチュアルだ。この場所をスピリチュアルと言わなかったら何チュアルだと言うのだろう。
勿論内装だけでなく、そのメニュー内容も気になってしょうがないものである。

五行に基づいて考え出されたメニュー

悩んだ結果、私にはスピリチュアルパワーが足りないので、「ちょう元気」という陽気なメニューを頼んでみた。

ちょう元気というメニュー

ほんのりと甘く優しい味で、ホッと一息ついた。

ただしちょう元気=腸元気であり整腸作用が含まれてる事に気付いたのは、飲み終わって暫くしてからのことだった…(その後めちゃくちゃトイレした)

さて、休憩したあとにはこんなサプライズなスピリチュアルがあった。

願いが叶う、ふうせん飛ばし

「願いが叶う場所」とは、この風船飛ばしのことだったのだ。
ちなみに風船飛ばし代は390円(サンキュー)と素晴らしいゴロがついている。

そして喫茶店を利用した場合は、390円が300円に割引されるサービスになっている。
空気を読まず「じゃあサンキューじゃなくなるんですね〜」とポロっと言ってしまったら、定員の顔がサッと曇った。ごめんなさい。

喫茶店の廊下の窓からそのまま飛ばす(いいの?!)
願いを乗せた青い風船は、鞆の浦の青空に消えていった。

恐怖のおっぱい観音

さて天空喫茶を後にして、車で10分ほど移動する。最後に訪れたのは、阿伏兎観音と呼ばれる岬である。

美しく光る瀬戸内海を横目に進む。
国の重要文化財にも指定されている阿伏兎観音は、子宝・安産祈願の場所として多くの参拝客が訪れる。

そのご利益を示すように、境内の入り口には、仲睦まじい夫婦の石仏があった。

さて、ここのメインはその奥にあるお堂である。厳かな赤い回廊を上っていくと、そこには驚くべき光景が広がっていた。


見渡す限りの海だ。目の前を遮るものは何もない。
何もない。
…ちょっと待って、何もなさすぎない?!

櫛野さん「気をつけてくださいね、落ちたら死にますよ」

気持ち程度の柵があるけど、その高さは膝下くらいまでである。ちょっとよろけて柵を越えようもんなら真っ逆さまだ。
いや、これめちゃくちゃ危ないって〜〜〜〜〜!

落ちたら死ぬやつ

落ちたらグチャグチャになって死ぬやつ

恐怖で足がすくむ。お堂の壁から離れることが出来ない。
そして、ふとお堂の中を覗き込むと、それがまた凄かった。

重厚な作りの内部。中心部には祭壇が祀られている。
ん?でもご神体の周りに見える突起物は…

お、お…

おっぱい!!おっぱい!!!!

おっぱい が いっぱい

おっぱい&おっぱい。安産祈願として、手作りのおっぱい絵馬を奉納しているのだ。大きいおっぱい、小さいおっぱい、人それぞれ好みはあるけど、どれも皆綺麗だね。人間の「生」の力で溢れているような感じがした。


だけどその後ろを振り向くと、そこには一歩間違えると「死」が待つ断崖絶壁となっているのである。そんな生と死が隣り合わせとなる極限の世界は、現実世界を飛び越えた「スピリチュアル(精神世界)」という言葉がピッタリだった。

お守りを購入

かわいいお守りなのに、阿伏兎観音での恐怖を思い出してしまうゾクゾクするお守りだ。

スピリチュアルツアーを終えて

というような感じで、鞆の浦スピリチュアルツアーは無事終わりを迎えたのだった。
これでもだいぶ端折っている。実際にはもっと沢山の場所を巡った、お腹いっぱいのプランだった。

さて、スピリチュアルな場所へ行けたのも面白かったのだけど、今回印象に残ったことは「街の面白さを見つける」という行為である。鞆の津ミュージアムのキュレーターという職業である櫛野さんの発見眼は、素晴らしいものだった。

「この塀、凄く良いですよね〜」と話す櫛野さん

日常の中に面白さを見つけることが、非日常への入り口であり、スピリチュアルへと繋がるのだろう。

私も見習って、明日はいつもの世界の裏にある、面白い世界を探してみようと思う。

櫛野さん、ならびにツアー仲間様、楽しいひと時をありがとうございました!