「狛犬」ならぬ「狛猫」に会いに行く。新潟 南部神社と京都 金比羅神社の共通点

日本の神社や寺には、参拝者を迎え入れてくれる「狛犬」が多く見受けられる。
神聖な場所を守る役割を持つ「狛犬」であるが、全国には珍しいものも存在する。

今回着目したいのは、「狛猫」だ。

「狛犬」ならぬ「狛猫」

ひとつめは新潟にある南部神社にある狛猫だ。この南部神社がある地方は山に囲まれており、風が弱く湿度が高いという養蚕に適した土地をしており、織物の産地として発展してきたそうだ。蚕はネズミによる被害を受けることが多く、そのネズミを避ける猫は重宝された。そのことから猫をネズミ除けの神様として祀ったそうだ。

この狛猫は猫又権現とも呼ばれて信仰されている。招き猫に通じることから、商売繁盛・運気上昇にご利益があるという。
ちなみに猫又とは年老いた猫が化けて妖怪になったもののことで、名の通り尾が二又に分かれているように描かれることが多いが、この猫又権現は尾がひとつのみ。
また左右一対で置かれることが多い狛犬だが、ここのは左側ひとつのみ。凛々しい表情でネズミを見張っているかのようだ。

南部神社
住所:新潟県長岡市森上
電話:0258-51-1195(栃尾観光協会)

続いては、京都の金比羅神社境内にある木島神社の狛猫。

丹後峰山は、丹後ちりめん発祥の地と呼ばれている。峰山の町はちりめん問屋や糸屋ができて栄えた。周辺の村々では生地を作るための機織りが盛んに行われて、そして農家はその絹を生産するための養蚕を営みにしたという。

そう、ここでもキーワードは養蚕。
養蚕が盛んになった際に、ネズミ除けとして全国的に猫が重宝されたのだ。

こちらの狛猫は左右一対になっている。
左側の猫は口を開けた「阿」の表情。右側の猫は口を閉じた「吽」の表情。
狛犬の性別については諸説あるが、おそらくこの狛猫は子猫を抱いたほうが雌猫なのだろう。

金刀比羅神社境内には、地元の子供が作ったのか猫の張り子も多数奉納されており、見ているだけで頬が緩む。

金刀比羅神社境内「木島神社」
住所:京都府京丹後市峰山町泉1165-2
電話:0772-62-0225

他にも猫にまつわる寺社仏閣は有名なところ含めて多数存在しているが、もしかしたら養蚕が盛んであった土地には、まだ見ぬ猫信仰があるかもしれないと思ったりする。